鼻アレルギー・花粉症の手術療法〜アルゴンプラズマ凝固法〜
花粉症の手術療法
当院では、鼻アレルギーや花粉症の方にアルゴンプラズマ凝固法による日帰り手術を実施しております。薬の治療でコントロールが不良で、特に鼻づまりの症状が強い方に有効な治療です。アルゴンプラズマ凝固装置を用いて、鼻内の下鼻甲介(かびこうかい)という部位の粘膜を焼灼します。
アルゴンプラズマ凝固法の特長
アルゴンプラズマ凝固装置
- 本治療は、アルゴンガスの流れを用いて下鼻甲介粘膜を広範囲に浅く、高周波で焼灼する手術です。いわゆるレーザー治療とは区別されておりますが、アレルギーによる鼻づまり症状に対して有効な保険適応の治療です。
- 痛み・出血あるいは合併症が少なく、他のレーザー治療と比べて焼灼時の煙の発生もほぼありません。左右の鼻で15分程度の手術時間で済みます。
治療の流れ
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- 初診
- 本治療が可能かどうか診察を行います。鼻の中の形態や、症状、合併症などによっては適応とならないこともあります。スギ花粉症の方では、花粉症症状が強い2〜5月は手術をお勧めしておりません。術後鼻内の状態が落ち着くまでかえって鼻症状が重くなるためです。花粉症の方は、花粉飛散が始まる1か月前までに手術を済ませておくことをお勧めしています。手術適応と判断される場合は、出血傾向の有無などについての血液検査を行い、手術日の予約を行います。手術は原則として土曜日の午後のみとなります。
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- 手術当日
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当日は午後2時頃からの手術となりますので、当日の正午以後来院までの間、飲食は控えていただきます。来院後、鼻内の麻酔を行います。麻酔液をしみこませたガーゼを鼻の中に15分程度留置します。麻酔のガーゼを抜き取り、内視鏡で確認しながらアルゴンプラズマ凝固装置のプローブを鼻内に入れて下鼻甲介粘膜の焼灼を行います。両側で手術に要する時間は15分程度です。出血が無いことを確認し、手術終了です。通常、鼻の麻酔から手術、術後の説明などを含めて1時間以内にはご帰宅いただけます。
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- 手術後の注意点
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- 手術当日の入浴は控えてください(シャワー浴は可)。
- 術後1週間程度は激しい運動や飲酒を控えてください。
- 術後2週間程度は鼻内にフィブリンという糊状のかさぶたが付着し、一時的に鼻づまりが悪化します。鼻内の状態が落ち着くまでは1週間に1回程度の通院が必要です。
本治療の適応とならない方
- 妊娠中の方
- 鼻内への麻酔用ガーゼの挿入などの処置が困難な方
- 心臓ペースメーカーを挿入している方
- 術前の血液検査で出血傾向が疑われる方
- 心疾患などで抗凝固薬や抗血小板薬を内服中の方(一時休薬していただければ手術可能です)
- 症状や鼻内の所見あるいは合併症から、手術の適応外と判断される場合
費用
両側の手術で手術費用自体の自己負担額はおよそ7,300円です(負担率3割の場合)。これに再診料、処方せん料などが加わり、およそ7,900円となります。