補聴器相談
加齢とともに難聴は徐々に進みます。個人差はありますが、誰にでも起こり得ます。徐々に進行することから自覚に乏しく、いつの間にか聞こえなくなっていて日常生活に支障をきたす方も多いと思われます。中には、家族に指摘されるまで自覚されない方もいらっしゃいます。難聴を放置していると、認知機能に悪影響を及ぼすこともわかってきました。残念ながら、加齢性の難聴は薬の治療などによる改善は期待できません。そこで役に立つのが補聴器です。
補聴器が必要な方
- 周りの人が大きな声で話さないと聞こえない
- 話していて何度も聞き返したり、聞きまちがえが多い
- テレビやラジオの音が大きいと指摘される
- 声が大きい言われる
補聴器装用の流れ
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- 耳の診察
- まず、耳の病気の有無を診察します。疾病により難聴を生じている場合は、治療することで聴力が改善する可能性があります。
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- 聴力検査
- 次に、難聴の程度について検査します。聴力検査で両耳ともに40dB以上の難聴がある場合は補聴器装用の適応の可能性が高くなります。また、身体障がいに該当する高度の難聴の方は、身体障がい者手帳を取得の上で補聴器を作成することをお勧めします。身体障がい認定を受けていると、補聴器購入の際に公的助成を受けることができます。聴力検査にて該当する方は、手帳取得のための手続きについてご説明いたします。当院にて「身体障がい者診断書・意見書」「補装具費支給意見書」(福祉事務所にて用紙交付)の作成が可能です。
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- 補聴器の機種選定、補聴効果の確認(フィッティングや機器の調整)、試聴のための貸し出し
- 当院での診察や検査結果をもとに、補聴器適合に関する診療情報提供書を作成し、補聴器専門店に紹介いたします。専門の認定技能士による相談を受けていただき、補聴器の機種選定、フィッティングや機器の調整を行います。購入の前に、補聴器を無料で貸し出し、実際に試聴していただきます。
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- 補聴効果や不具合の確認
- 後日、補聴器店にて日常の使用感をお伺いし、継続使用を希望されるようでしたらご購入となります。
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- アフターケア(補聴器の調整やメンテナンス)
- 補聴器は購入後のアフターケアが重要です。ご要望に応じて再調整を繰り返します。アフターケアを怠ると、十分な補聴効果が得られず、装用を不快に感じることになってしまいます。
補聴器装用における注意点
- 補聴器は、装用開始時には違和感があり、慣れるまでに時間がかかります。
- 眼鏡のように単純な構造ではなく精密機器のため、状況に応じて1〜3ヶ月に1回程度の定期的なアフターケアによる補聴器の調整、メンテナンスが欠かせません。
- 耳あかがたまってしまうと、十分な補聴効果が得られなくなってしまいます。定期的に耳鼻咽喉科医に耳のチェックを受けて下さい。
- 耐用年数はおおむね5年程度とされ、難聴の進行や故障などで買い替えが必要になる場合があります。
- 新聞広告やテレビの通販などで販売されている集音器は、音を増幅する仕組みは補聴器と同じですが、個々人の聴覚特性に応じた微調整を行うことはできません。
補聴器の種類・価格
現在、補聴器は従来のアナログ式からデジタル補聴器が主流となっています。デジタル補聴器は、多機能で雑音の制御などをより微調整できるようになり、格段に進歩しています。補聴器の種類としては、ポケット型、耳かけ型、耳あな型などがあり、機能や形態により価格もさまざまです。
となります。オーダーメイドの補聴器や多機能のもの、耳あな型などでは価格が高価になります。いきなり多機能の補聴器や両耳の装用をしても使いこなせず、結局使わなくなってしまうなどということにもなりかねません。専門の技能士ともよく相談し、まずは手ごろな価格のものを片側から装用し、徐々にステップアップすることをお勧めします。
ポケット型
耳かけ型
耳あな型(オーダーメイド)
メーカーにもよりますが、おおよその価格は、
ポケット型 | 30,000〜80,000円 |
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耳かけ型 | 50,000円〜180,000円 |
耳あな型(オーダーメイド) 耳あな型 (オーダーメイド) | 120,000円〜 |